1800年の歴史を誇る杖立温泉の特色
杖立温泉は応神天皇の産湯伝説が残る九州の名湯で、平安時代にはかの弘法大師が杖立温泉を訪れ一句詠みあげました。
この句の中に登場する杖立という言葉が、後の杖立温泉の由来になったと言われています。
古来湯治場として栄えた杖立温泉は、江戸時代に入ると熊本藩主が御前湯を設置し、時の殿様が湯治のために訪れるようになりました。
御前湯は今でも現存していて、街の公共浴場として誰もが気軽に利用できるようになっています。
近代になると多くの文化人が杖立温泉を訪れるようになり、文化人が宿泊した旅館も現存しています。
温泉街に一歩踏み入るとまるでタイムスリップしたような雰囲気に包まれ、古くから親しまれた杖立温泉の魅力に魅了されることでしょう。
杖立温泉は、生活と温泉が一体化しています。
温泉では温泉玉が有名ですが、杖立温泉はあちらこちらにむし場と呼ばれる設備があります。
むし場とは野菜や卵などを温泉の蒸気で蒸すための施設で、古来杖立温泉周辺で生活する人々が台所として利用してきた施設です。
この施設は観光客も利用できるようになっていますので、野菜や卵などを購入してむし場で実際に蒸して出来立ての蒸し料理を食べることもできます。
温泉を楽しんだ後は街を散策してみるのも良いでしょう。
杖立温泉に残る背戸屋はこの地域ならではの素朴な街並みで、インスタ映えするスポットとしても人気があります。
杖立温泉の泉質
杖立温泉は98℃という高温の湯が大量に湧き出ています。
サラリとした手触りの湯は弱食塩泉で、美肌の湯としても知られています。
露天風呂に浸かるのもよし、大浴場で足を伸ばしながら日頃の疲れを癒すのもよし、とにかく癒し効果が高い温泉です。
杖立温泉で試してみたいのが、蒸し風呂です。
高温の温泉の蒸気を利用して作られた蒸し風呂は、西洋式のサウナとは違った楽しみ方ができる温浴施設です。
ミネラルをたっぷり含んだ蒸気が室内を満たすので、肌の潤いを保つだけでなく、風邪予防にも効果があるのだとか。
血流を改善し代謝を促す効果もあります。
蒸し風呂は室内で横になるタイプや、箱の中に体を入れて顔だけ出すタイプなど種類もさまざまです。
日頃の疲れをしっかりと吹き飛ばしてくれることでしょう。
杖立温泉へのアクセス
杖立温泉へ鉄道でアクセスする場合、福岡方面からはJR日田駅へ向かい、駅から杖立行きのバスで2時間ほどでアクセスできます。
車でアクセスする場合は九州自動車道から大分自動車道へ入り、日田インターチェンジから国道212号線で杖立温泉へ1時間半ほどで到着します。
高速バス利用の場合、福岡空港まで行くと杖立温泉行きの高速バスが発着しており、2時間半ほどでアクセスできます。