温泉でお酒を飲むのは危険!
「露天風呂に浸かりながら日本酒を飲むのが楽しみ」「温泉上がりにキンキンに冷えたビールを1杯飲むのが至福の時」という方は多いのではないでしょうか。
「雪見酒」という言葉もあり、日本酒を1杯やりながら、景色の良い露天風呂に浸かるなんて、とても風情があります。
また温泉に行くと、地元の美味しい料理を食べ、ついついいつもよりもお酒が進みます。
このように温泉とお酒はとても相性が良いイメージですが、実際には入浴中や入浴直後の飲酒は非常に危険です。
入浴中・すぐ後の飲酒が危険な理由
ホンマでっか!?TVでおなじみ、医学博士の一石英一郎医師は、入浴すると血流がよくなるため普段よりも酔いやすくなることを指摘しています。
意識が混濁したり、酩酊状態になってしまう可能性があるので、入浴中や入浴直後の飲酒を避けるように勧めています。
特に、お酒を飲むと寝てしまう方は注意が必要です。
もし一人で入浴しているときにうっかり寝てしまったら、溺れて取り返しのつかないことになります。
お酒を飲むと血管が開きます。
健康な状態ならば、血流が良くなることは良いことですが、お酒を飲んで酔ったまま温泉に入ると、大量の血液が全身をめぐり末梢血管まで血が流れます。
その結果、心臓や脳に送られる血液が減少し、不整脈や心臓発作を引き起こすことがあります。
心臓疾患のある方は特に注意してください。
アルコールを摂取すると、血圧が下がります。
お風呂に使った時もやはり血圧が下がるので、相乗効果で血圧が下がりすぎてしまうので注意してください。
普段から血圧が低い人は、意識を失ってしまう可能性があるので要注意です。
とはいえ、高血圧の人は安全かというとそんなことはありません。
降圧剤を服用している方は、お酒と温泉のW効果で貧血になることがあります。
少なくとも30分は我慢しよう
温泉上がりに、ほてった体で冷たいビールやハイボールを飲むのは美味しいものです。
ですが、ここはグッとがまんしましょう。
入浴して30分たてば拡張した血管が元に戻るので、少なくとも30分以上経ってからアルコールを飲むようにしましょう。
お風呂上がりに飲むビールが特に美味しいのは、体が脱水症状を起こしているからです。
41度のお湯に15分使った時、コップ約4杯分の水分が体から失われています。
急激な脱水症状を起こしているときに利尿作用のあるビールを飲むと、さらに水分が失われ脱水症状がひどくなります。
温泉から上がったら、まずはコップ1杯の水を飲み、横になったり椅子に座るなどして体をゆっくり休め、最低でも30分経ってからビールを飲みましょう。
お酒を楽しむために、命や健康を危険にさらすことはばかげています。
少し自制して、安全な方法でお酒も温泉も両方楽しみましょう。